Q1 横浜霊園を経営している日本墓園は、現在、清算法人とのことですが、どういうことですか。
A1
財団法人日本墓園は、乱脈経営をしていた旧理事らの理事体制を一新して新たな理事の元で健全経営を始めた後の平成11年(1999年)3月、旧理事体制時の多額の負債等を理由に、厚生省(現厚生労働省)に設立許可を取り消され、清算法人になりました。清算法人はプラス財産とマイナスの財産を清算する業務が終われば、消滅してなくなる存在です。日本墓園は現在、清算業務中です。清算業務が終われば消滅する法人ですので、横浜霊園の経営主体がいなくなります。横浜霊園を経営するには新たな経営主体が必要です。
Q2 公益財団法人を新設することになった経緯を教えてください。
A2
横浜市墓地等の経営の許可等に関する条例では、霊園の経営主体を地方公共団体、宗教法人、公益法人に限っています。日本墓園は横浜市に横浜霊園の経営を打診したことがありますが、断わられました。横浜霊園の施設を全部引き取って経営してもよいと声を掛けてくれた宗教法人も複数ありましたが、経営規模が小さく、巨大な経営規模の横浜霊園を経営するのは難しいと判断し、お断りしました。既存の公益法人も同様の理由から難しいと判断しました。そこで、横浜市と相談し、これまで日本墓園の清算業務を担ってきた清算人や弁護士などが新たに公益財団法人を設立して、新たな責任体制を作って、そこが横浜霊園の施設を引き取って横浜霊園を経営することにしました。
Q3 公益財団法人は信用できるのですか。
A3
公益財団法人は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)に基づいて設立しなければならないことになっています。設立許可の権限は神奈川県にあります。この法律では、公益法人の認定、事業活動、監督などについて細かく定めており、これを遵守しなければなりません。そこでは公益財団法人の経営の公平性と透明性が重要視されています。財務状況については財務状況書類を公表することになります。
公益財団法人は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)に基づいて設立しなければならないことになっています。設立許可の権限は神奈川県にあります。この法律では、公益法人の認定、事業活動、監督などについて細かく定めており、これを遵守しなければなりません。そこでは公益財団法人の経営の公平性と透明性が重要視されています。財務状況については財務状況書類を公表することになります。
Q4 永代使用料は改めて払わなければならないのでしょうか。
A4
その必要はありません。永代使用料とは、特定の墓地区画を独占的に将来にわたって利用する権利の対価として払うもので、永代管理料の方も年次管理料の方も、皆様が契約時に永代使用料を支払っておられます。新法人は、皆様がかつて日本墓園に永代使用料を支払ったことを尊重し、永代使用料を皆様に請求することはしません。
Q5 墓地管理料はどうなりますか。
A5
墓地管理料は、墓地の共用部分についての支出(共用部分の修繕維持費、管理事務所で働く職員の人件費、水道光熱費等)を賄うために必要な料金であり、利用者の皆様が、それぞれの墓地区画の面積に応じてご負担いただくことが公平と考えられています。公益財団法人でも、利用者の皆様に、墓地区画の面積に応じてご負担いただく方針です。かつて日本墓園に永代管理料を払った方がおられることも承知していますが、今後、新たな経営者(公益財団法人)のもとで霊園を継続的安定的に経営していくためには、墓地利用者全員から、毎年、墓地区画の面積に応じた墓地管理料を払っていただく必要があります。
墓地管理料の金額は、2,200円/1㎡(消費税込み)を予定しています。現在、日本墓園に年次管理料を払っている方々と同じ金額になります。
Q6 将来、墓地管理料を値上げする可能性はありますか。
A6
将来、物価の高騰などの経済情勢の変動や、霊園が大規模災害の被害に遭うなどして高額な修繕費が必要となった場合などに、墓地管理料を値上げする可能性はあり得ます。しかし、このような特別な事情がない限り、値上げの必要はないものと新法人は考えています。
Q7 公益財団法人と墓地使用契約を結ばない場合はどうなりますか。
A7
公益財団法人との墓地使用契約を希望されず、墓じまいをご希望の方は、管理事務所にご相談ください。墓じまいの手続きについてご案内いたします。
Q8 公益財団法人に墓地管理料を払わない場合はどうなりますか。
A8
厚生労働省作成の「墓地使用権型標準契約約款」には、墓地使用者が墓地管理料を所定の期日までに支払わなかった場合に、経営者が書面をもって、契約を解除できるとの規定例がありますが、公益財団法人では、所定の期日までに払わなかったことだけで契約を解除することは厳しすぎると考えています。
日本墓園の規定では、年次管理料を3年分以上払わなかった場合に利用契約を解除して墓地を更地(原状)に戻して返還してもらうことになっています。公益財団法人でもこの規定を参考にして、同様の規定を設ける予定です。
Q1 永代管理料を支払っている人と年次管理料を支払っている人のそれぞれの人数を教えてください。
A1
1人で複数の区画の権利を持っている方がいるので、区画数でお答えします。令和元年11月時点で、横浜霊園の永代管理料区画は14,375区画、年間管理料区画は9,451区画です。
Q2 現在、墓地管理料は墓地使用者全員が払っているのですか。
A2
いえ、永代管理料を払った方は払っていません。年次管理料の契約を結んでいる墓地使用者はほぼ全員が払っています。
Q3 全員から墓地管理料を徴収するかどうか、利用者全員の賛否を問うのですか。
A3
いいえ、そうではありません。公益財団法人が経営するようになったときの墓地管理料を、かつて日本墓園に永代管理料を支払った方を含め、利用者全員の方々に等しくご負担いただく方針は確定しています。
Q4 かつて永代管理料を払った利用者が年次管理料を払っている墓地利用者と同じ金額を払うのは納得いきません。親が永代管理料契約をするときに、「一生払わなくてよい」と聞いていました。永代管理料を払った方には一部減額するという案も考えてもらえないでしょうか。
A4
かつて墓地管理料を永代として払った方々は、将来、子や孫の代が困らないようにと頑張ってお金を用意して払われたことと思います。だからこそ納得がいかない気持ちになるのだろうとお察しします。
しかし、墓地経営は何かに投資して儲かるビジネスではありません。かつての経営者は一度に多額の金銭を集めてゴルフ場経営まで手がけようとして、霊園を倒産させるに至りました。そもそも一度に多額の金銭を集めるべきではなかったのです。公益財団法人では、継続的に霊園を維持するためにも、全員に墓地管理料をご負担いただきたいと考えています。
なお、管理事務所において、かつて永代管理料を払われた方々の金額を確認したところ、永代管理料の金額は、永代管理料を払った年度の年間管理料の21年分か31年分相当額でした。また、日本墓園と最後に永代管理料契約をした方は昭和63年(1988年)でした。この最後の方が永代管理料を払ってから、すでに33年が経過しています。すなわち、かつて永代管理料を払った方々が、公益財団法人の経営開始後から年次管理料支払者と同じ金額の墓地管理料をお支払いいただくとしても管理料の二重払いとなることはなく、年次管理料を払ってきた方と比べて不公平はありません。他方、昭和44年(1969年)から年次管理料を払っている方は、現在まで50年以上、管理料の値上げにも応じて、年次管理料を毎年払っています。現在では、むしろ年次管理料支払者のほうが霊園の維持管理費を多く負担している状態にあり、年次管理料の方々の不満も考慮する必要があります。
従いまして、公益財団法人が横浜霊園の運営を始めた以後は、かつて永代管理料を払った方々も、年次管理料を払っておられる方々と同じ管理料をご負担いただきたいと考えています。
墓地管理料は墓地の共用部分についての支出(共用部分の修繕維持費、管理事務所で働く職員の人件費、水道光熱費等)を賄うためのものです。マンション管理費と同じように、一定の墓地区画を利用する方が全員、公平に負担するものであるという基本に立ち返って運営することが重要と考えており、永代管理料をお支払いの方についてのみ一部減額することは公平性を欠く結果になると考えています。どうかご理解ください。
Q5 墓地面積が広い人について、後を継ぐ人のことを考えると、一定金額を超える人については減額することを考えてもらえないでしょうか。
A5
検討する余地はあると思います。管理料があまりにも高額であるために、管理料が払われず、墓地が放置されるという事態は、墓地使用者にとっても霊園にとっても望ましいことではありません。現時点でどれくらいの面積の墓地についてどれくらいの減額を認めるかということは断言できませんが、上限の設定については検討する必要のある課題だと考えています。
Q1 令和5年度から公益財団法人が営業を開始するとの計画になっていますが、売却できる墓地(「空き墓地」)はどのくらいあるのですか。
A1
現在、空き墓地は数百区画あります。しかし、現在の墓地使用者の方々の中に、階段上など高いところに墓地がある方々について、低い場所に墓地を移したいというご要望があります。今後、階段上などの高いところの墓地区画を緑地にする予定もあります。現在の利用者の皆様の移設を優先させたいと考えていますので、空き墓地全てを直ちに対外的に販売するという計画にはしていません。
Q2 管理事務所の建て替えに1億6000万円とあるのは高すぎませんか。
A2
この金額は現時点で公表されている鉄筋コンクリートの建物で、現在の管理事務所くらいの大きさのものを建築する場合の平均工事単価から算出したものであり、実際に工事業者に見積りを出してもらったものではありません。
管理事務所の建物は耐震強度がゼロに等しいとの診断を受けており、建て替えが必要になっています。管理事務所で働く従業員や訪れる方の安全を考えると、できるだけ早く建て替える必要があるのですが、現時点では資金的に目途が立っていません。実際に工事することができそうになったら、工事業者に相見積もりをとって適正な価格で工事をしてもらいます。
Q3 経営計画案にある準備金とはどのようなものですか。
A3
管理事務所の建物の工事や、危険箇所の修繕工事以外により利用者の利便性を高めるための階段の手すり設置や水道工事などに当てることを考えています。
Q4 経営計画案では支出のうち人件費が令和6年度以後、徐々に増えていくのはなぜですか。
A4
現在、従業員には経営難を理由に一律1割の賃金カットをしています。新法人による経営開始後は従業員の賃金を元に戻す予定です。それと営業活動が始まると、新たな仕事をしなければならなくなるので、新たに人を雇う必要があると考えています。
Q5 令和5年度に管理料収入が年間2億円になると書いてあるのに、実際には利用者全員が管理料を払ってくれない可能性があるとのことですが、そうであれば、実現可能な数字に見直してほしい。
A5
計画段階では全員から払っていただく考えでいます。しかし、実際にその年度になったらどれだけ集まるかは必ずしも明らかではありません。もし予定どおりに集まらなければ、その都度、実情に合わせて計画していた事業内容を変更するしかありません。安全対策工事が計画どおりに進められない、部分的にしか行えないという事態も起こり得ますが、やむを得ません。
Q6 違法開発箇所の線引きや定義はどうなっているのですか。増設後に違法だからと撤去されるのは困ります。
A6
違法開発箇所はすでに明らかになっており、図面にしてありますので、横浜霊園の管理事務所にお出でいただければ、そこで確認することができます。ここで言う「違法」の意味は、必要な行政手続を経ていないというもので、危険箇所という意味ではありません。「違法」だから出て行けと横浜市に命令されるわけではありません。適法化するための協議を今後も横浜市と続けていく予定です。
Q7 工事費について10億円の見込みとあるが、2013年の説明会では7億円でした。工事費は今後も増えていく心配があるのですか。
A7
2013年の金額は危険箇所の工事費用だけでした。10億円は違反箇所の是正工事(緑地復元工事)費用の3億円を含んでいます。ただ、緑地復元工事が実行される時期は高いところの墓地の多くが下に降ろされ緑地にできる場所が確保できた時点ですからかなり先の話になります。実際の工事費は当時の資材費や人件費の変動等で変わる可能性があります。
Q1 三浦海岸公園墓地について、経営を切り離す可能性があるとのことですが、その場合どうなるのですか。
A1
公益財団法人は、三浦海岸公園墓地と横浜霊園を一体的に経営する計画です。問題は三浦海岸公園墓地の土地のほとんどが借地で、借地代が三浦海岸公園墓地の年間管理料収入の2倍以上になっていることです。せめて同額程度にならないと、横浜霊園の墓地使用者のみなさんに納得していただけないのではないかと危惧しています。そこで、適切な地代になるよう交渉していますが、交渉がまとまらない場合、横浜霊園のみで経営をスタートし、三浦が清算法人に残ることもあり得ます。その場合、清算法人が三浦を経営できず破産申立をせざるを得なくなる可能性もあります。そうなる前に交渉を成立させてもらえたらとよいと考えています。
Q2 三浦海岸公園墓地について、最初にお墓を買うときに払ったお金(永代使用料)が横浜霊園と異なるのではないかと思うのですが、三浦海岸公園墓地の方を高くするのが公平ではないでしょうか。
A2
永代使用料の金額に違いはありません。三浦海岸公園墓地の方が借地料が土地の価格に見合った金額に下がれば、横浜霊園の負担は全くなくても、一緒に経営できると考えています。
Q3 三浦海岸公園墓地の利用者です。三浦海岸公園墓地も山沿いのエリアを削って作っており、うちは第2期工事で造成された区画にあるのですが、危険箇所等の調査をしているのですか。
A3
三浦海岸公園墓地は許可を受けて計画通り造成された霊園です。過去10年で2回ほど修繕の対応にあたったことがあります。畑の上に土がどんどん盛られてしまい、それが崩れ落ちたときに対応したり、管理事務所の横の崖について多少の復旧工事をしたくらいです。横浜霊園のように危険箇所の修繕に多額の費用を要する状態ではありません。
Q1 隣りの墓地はいつ来ても雑草が生い茂っています。管理料を払っているのに、こういう状態になっているのは管理不十分なのではないですか。
A1
墓地の区画内は墓地使用者の専有部分なので霊園が勝手に手を入れることができません。雑草等がひどい墓地については墓地使用者に連絡して対応をお願いしています。応じてくれる墓地使用者もいますが、そうでない墓地使用者もいます。雑草等があまりにもひどい墓地については管理事務所で一定の清掃をすることがありますが、限られた従業員では十分に対処できないのが現状です。
Q2 墓地管理料をこれから支払うことは理解しましたが、先日、お墓参りをしたときに、お墓のお供え物にお酒の瓶がありました。他にも枯れたお花がそのままになっていたり、塔婆の回収も古いのがそのままになっていたりしています。他の霊園はお供え物が一切ダメというところがあります。今後、これらについてどこまでやってもらえるのでしょうか。
A2
墓地の区画内は墓地使用者の専有部分なので、区画内の管理は墓地使用者の責任で行っていただくことにしています。しかし、別途、有料サービスとすることは考えられます。お供え物の放置については何らかのルールを考えたいと思います。
Q3 霊園の管理が行き届いていない。水道については雨が降ったりした際にはすごく濁ります。階段の整備も不十分です。その点の管理はどうなるのですか。
A3
現状は水道ではなく井戸水です。大雨が降った後に濁っているのはこのためです。将来、水道を引くとなると、霊園の面積が広いこともあり、極めて高額な工事費用がかかります。それを管理料収入から支出するとなると、他の工事やサービスなどに大きな支障を生じることになります。ご不便をおかけしますがご理解ください。階段の手摺など、修繕の必要性があることは理解しています。徐々に着手していきたいと考えています。
Q4 霊園が近いので頻繁に霊園に行く。六浦霊園は管理が行き届いている。シャトルバスも出ている。横浜霊園は木が鬱蒼としている箇所がある。池の水も何もされていない。階段も危ない。言われないとやらないという姿勢の問題もあるのではないか。管理が行き届いていないというのは意識の問題。人が少ないというものではない。
A4
ご指摘の内容は承知しています。しかし、どれも費用がかかる問題ですのですので、積極的な営業活動が禁止され清算業務しかできない現状では、少ない人員でできる範囲のことからするしかないのが実情です。
Q1 我が家の墓地の区画は高いところにあります。利便性が悪いので低い場所に移したいのですが、移設するのに多額の移転費用がかかることを懸念しています。移設費用について配慮してもらえないでしょうか。
A1
平地に降りたいという相談は他の方からもあります。移設費用が安くなれば移設しやすくなることは承知しているのですが、石材店に無料で墓石の移設をお願いするわけにはいきませんし、墓地使用者からいただいている管理料を霊園全体のためではなく、一部の墓地使用者のために使うことは問題があります。広く墓地使用者の意見を聴く必要があります。もっとも、高い所の区画を緑地にすることは霊園の緑化にとってもプラスになることですから、公益法人に経営移譲する前から実行可能な案を石材店とも相談して検討したいと思います。
Q2 自然災害でお墓が倒壊した場合の修繕は石材店が行うとのことだが、墓地使用者が修繕費全額を負担するのは、15年前の修繕に何百万もかかったことからすると、厳しい。管理費+安心料(例えば携帯の安心サービスのような)を考えてもらえないでしょうか。
A2
墓地使用者の各利用区画内の工事費用は墓地使用者のご負担になってしまいます。とはいえ、自然災害により外部から土砂が流れ込んで墓石を倒したり損壊したりしたような場合、墓地使用者の行為で起こった事態ではありませんから、墓地使用者が工事費用全額を負担するのは酷な面があることも十分理解できます。今後、大雨による土砂災害だけでなく、大きな地震による墓石の倒壊などが生じる可能性がないとは言い切れないことを考えると、日々平穏な状態を前提とする管理料だけでなく、自然災害後の区画内の復旧工事費用、さらには墓仕舞いのための工事費用などのことを考慮した「管理料+安心料」という仕組みを考える意義はたしかにあると思います。すでにそのようなサービスを提供している事業者があるかを探すことを含め、公益財団法人が経営を始めた後にご提案のような安心サービスを実施できるか、費用面・法律面等を検討します。
Q3 礼拝堂の使用料が30分2万2000円になっている。近隣の霊園の2倍になっているので、いかがなものかと思う。全員が管理料を払うようになったら、これを引き下げてもらいたい。
A3
承知しました。皆様から管理料をお支払いいただく際には引き下げられるよう検討します。